『この世界の片隅に』を見て良い映画だなと思ったので二度見して見た。
原作は途中まで読んで見た。こちらもこうの史代さんの絵柄がとても素敵で時折見られる大人な表現がすごくドキドキする感じがします。
映画を2度見る時は、1度目よりも短く感じる。それだけ1度目に見る時は集中して見ているのだろう。
それでも細かいところは見落とす。細かいカットの意味やセリフ、キャラクターの見分けとか、そういった色々なことを見落とす。
今回、二度見しようと思ったのは見た翌日にじんわりと感動が広がり、それがなんなのか再体験したかったからだ。
原作との違いやカットされたエピソードがどうだったのかと思ったから。
この映画はクラウドファウンディングで集められたお金も使われていて、映画の最後にそれに協力したみなさんの名前が映し出される。こんな素敵な映画に自分の名前を刻めるのは素敵なことだと想う。
その時に映像で映し出されるのがリンという脇役の女性のエピソードらしいことがWikipediaでわかった。初めて見た時は全然わからなかったけれど初見でそこまで見抜ける人は相当なものだと思う。ここは2度目で十分に伝わるものがあった。
本篇は色彩、キャラクターの動き、のんさんの語り口、絵それ自体、細かいエピソードの数々、細かいセリフ(ちょっと聞き取りづらい部分もあったけれど)そういったところを中心に鑑賞してみた。
そうしたら、本当に細かい演出をしていることに気がつく。すずが子供に間違われてもらったチョコレートを供えるシーンとか初見でははっきりわからなかった。二度見は良いなぁと思いながら、より深く感動することができた。
アニメには詳しくないから全体的な絵の動きがどれほどのものかわからないけれど、絵的にも十分満足行くものだった。
リンのエピソードは予算の都合上仕方なくカットされたそうだが、ここも映画で見て見たい。主人公のすずの心の動きや戦時中の男と女の仲というものに関わることだから興味もある。
原作が女性だからか戦艦や戦闘機の描写はキレキレのリアル志向ではない。それは仕方ないのかも。そのぶん、柔らかく優しく強い人々のストーリーが真に迫る。
戦争で戦っていた時、負けた時、そしてその後の復興を思うとその時間の膨大さに目がくらむ、そんなことも感じさせてくれる映画だった。
空襲で焼け野原になった呉と原爆が投下された広島の惨状、その中に生きた人は確かにいた。戦争中も戦争を生き延びた人も確かにいた。その人々のみなぎる力を表現した『この世界の片隅に』は二度見に値した。
そして2度目の方が感動が深かったことを追記しておこう。
読んでいただきありがとうございました。
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