今日は1990年に公開された『ロザリンとライオン』について書きたいと思います。
この映画はサーカス女性猛獣使いを扱った青春恋愛ロード・ムービーです。
ストーリーは引用させていただきます。
マルセイユのリセに通う17歳のティエリー(ジェラール・サンドス)は動物園の檻の中でライオンに鞭を振う美少女、ロザリン(イザベル・パスコ)の姿を目にしたその日から、何とかして自分も猛獣使いになりたいと夢見るようになる。念願かなってロザリンの師匠、フラジエに弟子入りしたティエリーはすぐにロザリンと恋に落ちるが、若い二人は昔気質のフラジエと衝突、動物園を追い出され、バイクで放狼の旅に出る。調教師の職も見つからず、途方に暮れる二人に救いの手を差しのべたのはティエリーの英語の先生ブラカール(フィリップ・クレヴノ)だった。夢のままに生きる二人の姿に感動した彼は、二人をモデルとした小説を書こうとする。やっとのことでもぐり込んだオンボロ・サーカスでも下働きをやらされ、うんざりしていたある日、二人の前にドイツ最大のケニヒ・サーカス団から誘いがかかる。夢見るような気持でオーディションを受け、見事合格した二人はミュンヘンに向かう。初めて見る大舞台はしかし試練を伴うものだった。発情期のライオンをうまく扱えずティエリーはスランプに陥る反面、ロザリンは猛獣使いの美女としてマスコミのスターになり、二人の間に亀裂が入った隙の練習中の事故でティエリーは入院してしまう。代わりにライオンの調教をまかされたベテランの虎使いのクリントは自信を失って自殺してしまう。その死をきっかけにティエリーとロザリンは自分を取り戻し、再び力を合わせて満員の観衆の前で素晴らしいショーを披露、喝采の渦が二人を包む。
何故、今更この映画をブログに書くかと言えば、傑作なのに日本でDVD化されていないし、傑作なのにこの映画を語る人がいないからなんです。
公開当初、この映画を見ましたが、ちょっと調べて見たら公開版は2時間19分らしいです。
今回、見たのは輸入盤DVDで英語字幕で見ました。それしか入手できなかったからですが…そして、なんとディレクターズ・カットです。3時間弱の尺がありました。
フランス語の映画を英語字幕で見たので細かいところが所々わかりませんでした。
ティエリーとロザリンの出会いからライオン使いの訓練。
そして放浪の旅、この原風景的絵柄が素晴らしい。
二人の放浪はバイク一台。中盤はロードムービーになっています。
今となっては30年近く前のフランスの風景も心にしみます。
フランス映画って光が綺麗だなぁと感じます。
監督はジャン・ジャック・ベネックスです。
『ベティ・ブルー』とか『ディーバ』の監督さんですね。残念ながらこの2作は未見。
話を戻しましょう。
この映画に主演しているロザリン役のイザベル・パスコを始めとする俳優さんと本物のライオンの共演が見ものです。
ライオンの調教シーンは本当に迫力があります。
イザベル・パスコはこの役のために9ヶ月間の調教師の訓練をしたそうです。
先に紹介したストーリーでのクライマックスから何カットか紹介しましょう。
ワンダー・ウーマンじゃありませんよ。ショーをやっている時のロザリンです。
美しいですよね、このシーンはライオンも照明も全て幻想的でクライマックスにふさわしい演出です。
ロザリンの足の間からライオンが吠えています。撮影は大変だったのではないでしょうか?
もう、ライオンたちと普通に写っています。
とにかく30年近く前の映画を再び見て見たいと思って、見られたことが嬉しいし、感動です。なんだか映画愛を再確認してしまったような気がします。
リュック・ベッソンの『グラン・ブルー』がイルカへの愛を描いた映画だとしたら、これはそのライオン版という感じです。主人公が男と女、エンディングの味わいも違うけれど。
とにかくフランス映画の良さを再確認できる映画でした。
27年ぶりの邂逅に感謝です。
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