続編「ブレードランナー2049」の日本公開が2017年11月に決定しました。
今回は「ブレードランナー」1982年公開のアメリカのSF映画のはなし。
監督は1979年に「エイリアン」をヒットさせたリドリー・スコット。
「ブレードランナー」は私も本当に大好きな作品です。同世代のSF映画ファンでキライと言う人に会ったことがありません。
主人公のリック・デッカードを演じるのはハリソン・フォード。リック・デッカードさんがブレードランナーの一人なんですね。
この映画のみどころは何と言っても美術・特撮、そしてレプリカントという命の期限が判ってしまっている存在が放つ「生きること」をテーマにしたストーリー。
特撮、視覚効果監修を「2001年:宇宙の旅」のダグラス・トランブル、それだけでも観る価値のある作品です。
美術デザインをシド・ミードが担当しました。ただ、美術に関する様々なアイディアや世界観はメビウス(私も大好きな!)やエンキ・ビラルのようなバンド・デシネのアーティストの作品の世界観を受けたものだといいます。80年代にシド・ミードが日本に来日講演した際に、偶然にも参加できた私は何故か最前列のシド・ミード氏の真正面にすわりウィンクされたという思い出がある。当時の私が美少年だったから?(笑)
音楽はバンゲリス。お気に入りのサウンドトラックは何度きいていることか…。これを書いているBGMもまさにそれです。
脚本はデビッド・ピープルズ(シナリオ初稿はハンプトン・ファンチャーが書いた)。デビッド・ピープルズは後にクリント・イーストウッド主演・監督の「許されざる者」の脚本を手がけている。個人的にも好きなテリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」の脚本も手がけている。「12モンキーズ」は私の大好きな淀川長治先生には大不評だったらしいけれど…。「12モンキーズ」もSF映画として面白いと思うんですけどね。
脚本的には「生きる」というテーマが「許されざる者」と共通するテーマかなと思う。もっとも5つの異なるバージョンがある「ブレードランナー」なのでデビッド・ピープルズの本当の脚本の結末がどう書かれていたのかは解らない。そして「ディレクターズ・カット」でのユニコーンの夢に示唆されるアイディアへの脚本部分での影響も定かでない。一つのカットに意味を持たせることで映画全体のカラーを変えて見せた「ディレクターズ・カット」は私のお気に入りなのだが、これはリドリー・スコット自身が撮影途中に考えたアイディアがベースになっているようです。
ストーリーの重要な収束のひとつとなるバッティ対デッカードの決着シーンは、バッティを演じるルトガー・ハウアーがセリフや演出を提案したとのこと。バッティが宇宙で見て来たことを語るシーンは「経験することの大切さ」という意味で私自身にも影響を与えた。雨に打たれるバッティを見つめるデッカードの表情はハードボイルドの中にも優しさと命への畏敬を含んだ本当にたぐいまれなシーンになっています。
ちなみに「2つで充分ですよ」の正体は「リサーチ試写版(ワークプリント)」で見られるけれど、何度見ても何なのかわからない…です。
さて「ブレードランナー2049」ですが「ブレードランナー」の続編と言うことで、では一体どのバージョンのストーリーを受け継ぐんだろうか?って言うだけでも興味がつきないので観る価値がありそう。
「ブレードランナー2049」を観る前に、色んな意味でみどころ満載の「ブレードランナー」を未見の方は是非お勧めします。
ごらんいただきありがとうございました。
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