77歳、肺がんだそうだ。悲しいね本当に。
ロメロといえば私の世代では『ゾンビ』”DAWN OF THE DEAD(1978)” だと思う。
その昔、1970年代のこと、映画のポスターは街中のいたるところに張り出されていた。
日活ロマンポルノの女性が裸のポスターも普通に張り出されていた。
今、思えば何事も緩やかな時代。
裸のポスターにクレームをつけるような時代でさえなかった。
当然のごとくホラームービーも規制などなかったから、街中の至る所にホラームービーのポスターがあって、嫌でも目に入ってしまうような状況だった。
当時、小学生高学年だった自分にとって『ゾンビ』のポスターは衝撃的に怖かった。
街中のポスター掲示板の前を通るのも怖かった。
こんな感じで赤枠のないもっとえげつないデザインだったな。
これがもう本当に怖くて怖くて…
こんな映画でも当時は規制が緩かったから小学生でも見ることができたと思う。
さすがに映画館には行かなかったけれど、数年後の中学生になった時にテレビ放映で見ることができた。
自分の中でホラーの傑作を三作品挙げるとすれば、やはりこの『ゾンビ』とトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』、サム・ライミの『死霊のはらわた』かと思っている。なんで『エクソシスト』が入ってないのと言ったら、あれは血が出ないから。
1980年代に入り「スプラッター・ムービー(血しぶき映画)」と言うカテゴリーが人気を博した。その走りの一本が『ゾンビ』だった。トム・サヴィーニとか名前を聞いてしまうと脊椎反射でワクワクが止まらない。
その後『ゾンビ』には様々なバーションが存在することが判明し、その潮流に色々と流されたけれど、ビデオを借りてみたり、渋谷で開かれた第一回スプラッタームービー・フェティバルで見ることができたり。
この映画、意外と人間の本質を鋭く突いているんですね。ショッピングセンターに立てこもる設定とか秀逸です。
もちろん見せ場にも事欠かないし、出演もしているトム・サヴィーニの特殊メイクも工夫に満ちていて恐ろし楽し。
こんな映画は本来あってはならぬの世界なのに、ここから学ぶことは本当に多かった。
今でも映画にはゾンビ・カテゴリーがしっかりと確立されているけれど、その基盤を作ったのは間違いなくジョージ・A・ロメロでした。
ジョージ・A・ロメロのことを語り出すとまだまだ語りつくせないけれど、今はしんみり、彼が亡くなったと言う事実を受け入れて、彼のご冥福を祈りたいと思います。
しかし、H・R・ギーガーが亡くなり、メビウスが亡くなり…自分の大好きなクリエイターが亡くなって行くのはとても悲しい。
ジョージ・A・ロメロはゾンビになってずっとLIVING DEADであり続けて欲しいな。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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